産業界で長年使用されてきた高速成形技術は近年、3D印刷と名付けられ広く流行している。食品、衣料品、さらには自動車・航空機・ロケット用部品などが、3D印刷の対象となっている。
自動車業界を見ると、カナダ新興企業のKOR Ecologic社、デジタル製造メーカーのRedEyeOn Demand社、3DプリンターメーカーのStratsys社は、燃費性能の高いハイブリッドカー「Urbee 2」を3D印刷によって初めて製造した。また、世界で初めて部品製造に3D印刷を採用した電気自動車「Strati」は、わずか44時間で完成させることができる。
それでは我々が将来的に運転する自動車は、3Dプリンターで印刷されたものなのだろうか?3D印刷技術は、自動車製造業にどのような影響を及ぼすのだろうか?
◆3D印刷とは?
3D印刷は高速成形技術の一種で、デジタルモデルデータを基礎とし、粉末状の金属やプラスチック等の合着材料を使用し、一層ごとに印刷することによって物体を成形する技術だ。
一般的なプリンターは小さな点を打つことで図を描き出す。3Dプリンターはまず一般的なプリンターに類似する原理を利用し、平面を印刷する。それからさらにこの平面を積層することで、立体の物体を成形する。