「夜明珠」(夜も光を放つとされる真珠)は古来より貴重な宝物とされてきた。特殊な無機鉱物元素を含み長時間発光する長残光現象を見せることから、夜明珠は人々に愛されてきた。科技日報が伝えた。
南京工業大学の黄維氏が率いる研究チームは、有機合成材料の長残光現象の観察に成功し、純有機物質からなる「夜明珠」を開発した。関連する成果は4月6日、学術誌「ネイチャー・マテリアルズ」に掲載された。
黄氏は、「有機光エレクトロニクス材料一重項・三重項励起状態は高活性であることから、常温での寿命はナノ秒・ミリ秒レベルとなる。発光時間が短く、精密機器でなければ測定できず、肉眼では目にすることができない。我々は各シリーズの室温単成分有機長寿命燐光材料を設計・生成した。その励起状態の寿命は秒レベルに達する。また我々は新型データ暗号化方法を開発し、その効果を肉眼で直接観察できるようにした」と説明した。同チームは有機長残光色の緑から赤までの調整に成功し、持続発光時間を56秒まで延長し、世界初の室温有機長残光材料を生成した。
同チームの陳潤鋒准教授は、「有機長寿命発光材料は独特な発光メカニズムを持つ新型材料だ。この材料は有機材料の柔軟性および残光材料の長寿命発光などの特長を集めている。疾患の診断、生物細胞の画像化、紙幣の偽造防止などの光エレクトロニクス学の各分野において重要な意義を持つ」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年4月10日