中国が参加しないTPPは成功したTPPとはならない。米国が協力しないAIIBも大きな成功を収めるのは難しい。AIIBの拡大と「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)建設の推進に伴い、米国が中国のTPP参加を拒むのはますます難しくなる。TPPの規則は将来、中国の参加のために調整される可能性がある。いくつかの分野(知的財産権など)での相違はなかなか埋めることはできず、参加国の均衡が中国の参加によって初めて取れるという要素もある。
TPPというこの巨大な弧は将来、「1ベルト、1ロード」とも結びつき、中国・米国・日本の3カ国の関係を平和的共存と利益共有という「繁栄の弧」へと変化させることになるだろう。AIIBは世界銀行やアジア開発銀行とともにこの「繁栄のベルト」に機能する。中国と米国にとっては、「トゥキディデスの罠」(新たに台頭した大国と既存の統治国との競争が戦争に発展する危険)を回避する重要なプラットフォームともなるし、そうすることは中米新型の大国関係の構築の意義でもある。
「天下の大事は小さいことから始めなければならない」。中米日3カ国の関係の「リバランス」は言葉だけで実現できるものではない。TPPや「1ベルト、1ロード」、AIIB、歴史問題で3カ国が全面的に協調・協力してこそ実現できるものだ。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年4月20日