今月初め、「明治日本の産業革命遺産」23施設の世界文化遺産登録に関する動きに大きな進展が得られた。ユネスコ(国連教育科学文化機関)「世界遺産リスト」への登録がこのほど勧告され、7月に正式に登録実現の運びとなった。新華社が報じた。
日本文部科学省文化庁は4日、ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(ICOMOS)が、これら23施設の世界文化遺産登録を勧告したと発表した。ユネスコ傘下の世界遺産委員会が7月にドイツで開催する世界遺産大会において、世界遺産リストへの登録が正式に決定する見込み。
〇韓国:「朝鮮人労働者の血と汗と涙を忘れてはならない」
隣国の韓国は、今回の世界遺産登録について、大きな憤りを表明している。炭鉱や造船所など日本の近代工業施設は、第2次世界大戦中、「強制的に徴用された数万人の朝鮮半島出身者の血と汗と涙に染まっている」と主張、日本が先の戦争で犯した罪を反省することなく、関連施設の世界遺産への登録申請を行ったことは、日本近代の侵略史を大義名分化するものではないかと批判の眼を向けている。韓国外交部(外務省)は、日本の世界遺産登録を全面的に阻止するため、すでに担当チームを立ち上げた。関係者によると、韓国政府担当者が今月末に東京に赴き、日韓協議が行われる予定という。
日本側は、問題の23施設について、「明治日本の産業革命のシンボル」と見なしている。これらの施設は、炭鉱、造船所、鉄鋼所などで、長崎、福岡、静岡など8県に分布している。このところ日本が世界遺産登録申請の動きを活発化させていたことで、韓国側に不満の種が芽生える結果となった。