全体としてみると、14年の不動産市場にみられた問題にはこの年ならではの問題もあれば、長期にわたり存在する問題もあった。例えば次の4つの問題があった。(1)不動産市場全体で供給が需要を上回り、分譲住宅の販売予定面積が過去最高を記録した(2)住宅・土地の資源配置構造が不合理で、一部地域の市場ではリスクが顕在化した(3)中古住宅の取り引きコストが高騰し、買い換えニーズの動きを抑制した(4)完成後の社会保障住宅に問題が出現し、一部の住宅で空室が出た、などだ。
▽今年の不動産価格の伸びは昨年並みかそれ以上
青書によると、15年には中央政府政策の面で不動産市場の発展を支援し、「安定、支援、促進」という方針がこれまでの「抑制、投資、調整」に取って代わるという。具体的には次の5つの動きがあると予測する。
(1)金融政策が相対的に緩和される。14年9月30日にうち出された不動産金融サービス政策「930政策」や個人の不動産譲渡における営業税の支払い免除期間を5年から2年に短縮する「5から2にする」政策などは、引き続き実行され、細分化が進む。
(2)長期的に効果を上げるメカニズムの構築がより重視されるようになり、行政手続きが徐々に簡略化され、「不動産登記暫定条例」などが引き続き実施される。
(3)在庫の消化が政策の重要な目標の一つになり、地方政府は操作性の高い、分譲住宅を買い入れて社会保障住宅にする政策およびその細則をうち出すとみられる。
(4)集団経営による建設用地の市場参入モデル事業が行われる。
(5)地方政府の調整をめぐる自主的な権限が拡大される。
市場の予測によると、15年の不動産市場は全体として14年よりも好調だとみられる。15年の不動産開発投資の増加率は引き続き低い伸びとなり、分譲住宅の供給には比較的ゆとりがあり、分譲住宅の需要はやや増加する。15年は国家レベルでは「人々の自主的な買い換え需要への支援」が行われ、地方政府は分譲住宅の在庫を減らすために一定の支援政策をうち出すと同時に、金融政策や財政政策も住宅消費に有利なものにするという。