中国社会科学院はこのほど、「不動産青書:中国不動産発展報告No.12(2015年)を発表した。それによると、2014年の分譲住宅の販売面積は12億1千万平方メートルで前年比7.6%減少し、増加率は同2.49ポイント低下した。販売予定面積は6億2200万平方メートルに達し、過去最高を更新した。中国経済網が伝えた。
青書は、15年は分譲住宅の平均価格の伸びが14年の水準を維持するか、14年を上回る見込みで、上昇幅は政策や政策の実行にどれくらい力が入るかによって決まる。15年の不動産価格は上昇する可能性があるが、大幅に上昇する見込みは薄いと予測する。
▽2014年の不動産市場は全体的に低迷
青書の指摘によると、14年の世界経済は危機後の回復期にあって、この年の中国不動産市場には大きな変化が現れ、大幅な調整が行われ、全体としては低迷状態にあった。低迷ぶりは主として販売面積の目立った低下、販売予定面積の大幅な増加、一部の大・中都市における不動産価格の値下がり、不動産デベロッパーが先行きの見通しに不安を抱いたこと、不動産投資や新規着工面積や土地の購入面積などの指標の伸びが13年に比べて大幅に落ち込んだことなどに顕在化したという。
14年の分譲住宅の販売面積は12億1千万平方メートルで前年比7.6%減少し、増加率は同2.49ポイント低下した。販売予定面積は6億2200万平方メートルに達して、過去最高を記録した。全国の1平方メートルあたり平均価格は6324元(1元は約19.3円)で同1.4%上昇し、上昇率は同6.3ポイント低下した。不動産開発投資は9兆5千億元で同10.5%増加し、増加率は同9.3ポイント低下し、1998年以来の最低を更新した。
政策をみると、14年の中央政府の不動産政策の調整では、これまでの「価格の抑制、需要の抑制」から「改善の促進、消費の安定」へと方針が転換された。中央政府の政策調整の穏やかさに比べ、地方政府の政策はより積極的だ。各地方はそれぞれの状況を踏まえて「都市ごとの政策」をうち出し、柔軟性や的確性がより高まっている。14年に中央政府がうち出した不動産政策は主に不動産をめぐり長期的に効果を上げるメカニズムの構築と結びついたもので、たとえば不動産登記制度などがある。