対外経済貿易大学金融学院の呉衛星院長は「インターネット企業の参入により、金融機関は顧客の嗜好をより良く理解することができ、金融サービスのコスト引き下げにもつながる。顧客に対する正確な分析とリスク評価により、新たな金融商品が誕生する。これらは全て、インターネット企業のデータを基にしている。小米と58同城の参入は、利用可能なデータ資源のさらなる拡張を意味する」と指摘する。
小米科技の共同創業者・洪鋒氏は、「従来型の金融サービスでは、最も基本的な顧客データしか取得できなかった。電子商取引のプラットフォームなら、消費者の消費の好みを知ることができる。これに対し、小米のユーザーデータは発生する密度が非常に高い上、ユーザーの行為と密接に関連している。小米の強みは、ユーザー承認を経て、密度の高い基礎的なオリジナルデータを取得できることだ。これには位置情報や、スマートデバイスに基づく生活に密着した数々のデータが含まれる。例えば、あるユーザーが1日1万歩のウォーキングという健康的な習慣を持つとする。保険会社はこのデータに基づき、このユーザーに割引価格で保険商品を提供できる」と語った。
58同城金融事業部の何松総経理は、「弊社は今後、様々な生活シーンに基づく資産運用のデータベースを構築し、シーン・ファイナンス(場景金融)を打ち立てる。今後、資産運用の収益は現金だけでなく、出張マッサージ、ウェディングフォト撮影、ヨーロッパ旅行などのサービスにまで拡大する可能性がある」と指摘する。
従来型の金融機関と比べ、インターネット企業の強みはやはり、データを加工する高いIT能力だ。小米金融の王総経理は取材に対し、「小米のデータマイニングモデルには、17万の変数が含まれる計算項目もある。小米はまた、ディープラーニング(深層学習)という手法を使ったユーザー画像の分析も試みている。内部テスト用のデータサンプル画像の人物の職業と収入を予測したところ、適合率は89%に達した」と語っている。この点から見ても、小米の目指す「新天地」とは、インターネットの大手が打ち出しているような手軽な金融商品ではなく、より詳しいユーザー分析が必要なローンや保険などのインターネット金融商品なのだろう。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年5月13日