当然のことながら、急速に成長する中国のスポーツ用多目的車(SUV)の細分化された市場において、日系ブランドも鳴り物入りで製品のラインナップを整えており、こうした動きによってSUV車が低迷をくい止め、反転上昇するための「伝家の宝刀」になっている。トヨタ、ホンダ、日産、マツダなどの日系メーカーは今年、市場シェアを獲得するために10車種以上のSUV車をうち出す計画だ。
ホンダは「コンセプトV」のプラットフォームから派生した兄弟車種のヴェゼルと「XR-V」で相当の業績を上げ、今年1~3月には両車種が中国での販売量の27.5%を占めた。データをみると、今年1~3月のヴェゼルの販売量は2万4千台で、同期のホンダで最も売れ行きのよい車種となった。XR-Vは2万2千台で、東風ホンダ傘下では「CR-V」に続く人気車種となった。
同じように、東風日産の売上もSUVに牽引されて伸びている。データによると、今年1~3月の東風日産のSUV販売量は5万1900台で同52.7%増加し、これは昨年の「X-Trail」リニューアル車の登場による牽引効果と大きな関係がある。1月には日産の中国合弁ブランドの「ヴェヌーシア」が初のSUV車「ヴェヌーシアT70」を発売した。戦略プランによると、東風日産は下半期に「デュアリス」(キャシュカイ)のフルモデルチェンジ車、「ムラーノ」(桜蘭)のリニューアル車などのSUV車をうち出す計画で、デュアリスは2008年に国内市場に登場して以来、初のモデルチェンジになるという。
▽ターボエンジンに人気 日系車は追随
当今の省エネ・汚染物質排出削減という大きな流れを背景として、ガソリンを節約してもエンジン性能を損なわない小排気量ターボエンジン車が人気を集めている。最近の一時期に発表された新車をみると、ほとんどが「ターボエンジンでなければ歓迎されない」時代に入った。こうした背景の下で、これまでずっと自然吸気によるエンジンを採用してきた日系ブランドも方針を変え、相次いでターボエンジンを導入して中国市場に対応しようとしている。メディアが発表したデータによれば、ホンダ、トヨタ、スズキ、日産、三菱、スバルの6大日系メーカーが、いずれも中国でターボエンジン車をうち出す計画で、車種は全部で11を数える。