20日、韓国ソウルで開催された「アジア・リーダーシップ・カンファレンス(ALC)」の「職業の未来」と題するシンポジウムにおいて、今後、「就業戦争」で生き残るために、個人はどのような戦略を講じるべきかをテーマに、各国の専門家が3時間にわたる討論を繰り広げた。韓国メディアの報道を引用して参考消息網が伝えた。
専門家は、「機械化とコンピュータ技術の発展に伴い、20年後には、今ある職業のうち3分の1は淘汰される」と予測している。また「世代間あるいは正規雇用と非正規雇用の従業員の間に起こる対立は、世界各地で、一触即発的な深刻な事態に陥るだろう。さらには、『第3次世界(就業)大戦』が勃発する恐れもある」という意見も出た。
〇20年後に3分の1の職業が消失
ビジネス書「ワーク・シフト」を著したロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授は、次の通り予測している。
今から20年後、繰り返しばかりのルーティンワークは消えてなくなり、クリエイティビティや分析力を擁する職業が盛んになるだろう。消えてしまう仕事の代表的なものは、生産、労務、単純事務作業などのポストだ。スーパーコンピュータやロボットが、簡単な処方箋を作成できるようになるため、医師という職業も、絶滅の危機に瀕する職業の例外ではない。だが、清掃業、老人介護士、トラック運転手など、人工知能が取って代わることのできない職業や、発展スピードが緩慢な職業は、今後20~30年は存続する可能性が高い。
専門家は、消えてしまう職業には、「保護エリア」は残されないと指摘する。付加価値を生み出すことのない株トレーダーや会計士の仕事は、コンピュータに取って代わられ、機械組み立て工の仕事は、「精算機械ロボット」が担当する。一方、人工知能(AI)やロボットでは受け持つことができない創造性や分析力が求められる職業は、今後も存続する。法律専門家、金融・コンピュータ専門家、学者、メディア関係者なども残るだろう。刑事・警察官、コンピュータ専門家、芸術家も、高度な思考力や表現力が求められることから、消失することはないだろう。