李館長が何度も口にしたこのようなアート交流のモデルとは、世界中の現代アート界で現在非常に流行している「芸術家をひとつの地域に滞在させて創作活動を行うレジデンスプロジェクト」だ。これは、美術館が宿や食事代を提供することを条件に、外国のアーティストを招いて現地に滞在させ、創作活動を行わせるものだ。「アーティストがある場所を訪れ、ある一定期間滞在し、現地の街や環境、人、生態、住民や地域を肌で感じとることで、リアルな感応を呼び起こし、現地の資源の特色性がアーティストの創作上の挑戦をもたらす。このような、さまざまな要素の衝突の中で作り上げられた作品はもともとの創作の考え方の延長線にありながらも、その土地の具体的な記憶も備わっている。このような創作は簡単に完成作品を運んで展示するよりも、新鮮かつエネルギーに満ちており、現地の観客やアート界の生態にとっても意義深い。
■「広州の街は不思議なエネルギーに満ちており、強靭で美しい」
展示会場では、人々はアニメ的で、平面的で、シンプルで、美しいといった紋切り型の日本の現代アートのスタイルはほぼ見ることはできなかった。逆に、新鮮で細やかな情緒が感じられる作品が展示されていた。