周さんが所蔵しているエラー十元札 |
100元(約2千円)のエラー(印刷ミス)紙幣の価値が、突然100万元(約2千万円)に?最近流れたこの種の報道に、エラー紙幣を所持している多くの人が、少なからず動揺したようだ。重慶に住む周さん(43)も、そのうちの1人だった。重慶晨報が伝えた。
周さんが所持しているのは、2010年に見つけた1980年発行の十元(約200円)のエラー紙幣。周さんは、「このエラー紙幣は、少なくとも180万元(約360万円)で売れるだろう」と心の中でつぶやいた。しかも、この紙幣は現地の銀行で鑑定も済ませてあり、印刷ミスがあることが確認されている。
しかし、重慶の某コレクター商品取引市場でエラー紙幣を取り扱う店の店主は、「エラー紙幣の取引価格が、100万元に達することはない。周さんが所蔵しているエラー紙幣は、6~7千元(約12万円から14万円)が相場であろう」と指摘した。
周さんが持っている十元札は、右下隅が破れてめくれており、角がひとつ多い。この部分には影印がなく、空白になっている。
エラー紙幣の売買に携わる朱さんは、「このエラー十元札は、まるで白い蛾が飛んでいるように見えるため、業界内では『大飛蛾』と俗に呼ばれており、右下角は破れ、角がひとつ多くなっている。印刷ミスとしてはかなり特殊な部類に入り、右下の隅が空白だ。しかし、市場に多量に出回り流通しているため、取引価格はそれほど高くない」と説明した。
別の古銭店の主人は、「エラー紙幣は、何よりも見かけが大事だ。新しく綺麗なだけで、高値がつく」と指摘。周さんが持っている十元札「大飛蛾」についても、「もし新しく綺麗な状態であれば、2~3万元(約40万円から60万円)で取引されるだろう。だが、この現物ならば、せいぜい6~7千元止まりだ」と続けた。
〇「エラー紙幣」とは?
エラー紙幣とは、印刷工程上で間違いが生じた、本物の紙幣を指す。今のところ、エラー人民元札のコレクションは、ひとつの独立したカテゴリーを形成している。人民元札の製造プロセスでミスプリントが生じるのは、かなり稀であることから、条件に合致するものは、貴重さゆえにコレクションとしての価値が極めて高く、投資家も熱い視線を送っている。紙幣の印刷ミスには、具体的に、印漏れ、白折れ、角折れ、配置ずれ、配置違い、印の偏り、透かしのずれ、などがある。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年6月15日