中国科学院成都生物研究所が24日に発表した情報によると、同研究所の趙海氏が率いる研究チームは2年の期間をかけ、約10万件のデータを比較対照した結果、水生植物のコウキクサが、汚水処理能力が最も高いとされているホテイアオイの代替品になることを証明した。コウキクサは汚水に含まれる窒素とリンを効果的に処理し、かつこれを高品質のバイオマス材料に変えることができる。科技日報が伝えた。
趙氏が率いる研究チームは、雲南省の滇池、四川省什ホウ市などで研究と実験を行い、コウキクサを汚水内に6日間放置することで、典型的な農村部の生活排水が「一級A類」の排出基準になることを証明した。汚水処理後のコウキクサは33.34%の粗タンパク質(そのうちアミノ酸は25.8%)、もしくは40.19%の澱粉葉を含み、バイオマスエネルギーの開発などで広く利用できる。
趙氏によると、同チームがコウキクサとホテイアオイの根に集まる微生物群を比較・研究したところ、水生植物の脱窒素・リン処理能力は、主にその根の微生物の貢献によるものであることが分かった。同チームがコウキクサの汚水処理システムに柔軟性の高い充填材を加えると、微生物が少なかったコウキクサの汚水処理能力が大幅に向上した。また根の生物膜にある高豊度の硝化细菌と脱窒菌が、水生植物の汚水処理能力が高い根本的な原因であることを裏付けた。同チームは、世界の800種のコウキクサを収集し、総合的に分析し、重金属のカドミウムに対して最も高い吸収効果を持つ種を選び出した。10日間の成長を経て、吸収率は64.95−83.23%に達した。コウキクサはイネと共に成長できるため、将来的に水田のカドミウム汚染の防止に活用できる。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年6月25日