浅野氏は「今後の発展を促進するには、歴史問題を総括しなければならないが、戦後の日本国内では、戦争責任について十分な議論が行われなかった。戦争責任の曖昧化によって、日本国内の一部の人の歴史認識に誤りが生じた。1950年の朝鮮戦争が勃発し、米軍の軍需調達による特需は確かに日本経済復活のきっかけになった。一方で、戦後の冷戦構造の中で起きた朝鮮戦争は、日本の戦争責任を曖昧なまま放置してしまう原因になったという側面もある。徹底した非軍事化が米国の占領政策の基本だったが、朝鮮戦争を有利に進めるため、日本の協力体制を作るために、政策転換があり、職務を解かれていた一部の政治家が復帰した」と指摘、さらに「歴史認識をめぐって日本国内には様々な見方が存在する。村山談話や河野談話はこの曖昧さにけじめをつけるという意味で、過去との決別を明確にしようと発表された試みであり、継承されるべきだ。安倍首相の70年談話が、過去をレトリックでごまかそうとするのではなく、明快率直に過去と向き合って、過去にけじめをつけ、アジアの人々の心配懸念を払拭するような理念の表明になってほしいと、期待している」と述べた。
中日関係の今後の発展について、浅野氏は「中国のGDPはすでに日本を抜き、世界2位の経済大国となったが、日本には中国が参考にできる点がまだある。中国は日本の後を追うように、超高齢社会に突入する。中国経済がこれから直面する問題は困難かつ重要だ。それをお互いに克服するためには両国が様々な分野で協力すべき。そうすることで相乗効果が生まれる。アジア太平洋地域のパワーバランスには変化が生じており、日本も安保政策を調整している。しかし日本は戦争に参与しないという国策を堅持し、安保政策の調整について隣国にしっかり説明する必要がある」と述べた。
浅野氏は最後に、両国の若者への期待として「戦争体験がないという意味では日中の若者は同じ。しかし、日中の若い人たちに言いたいのは、今のこんなに幸せで安全な生活は、戦後70年間平和が続いてきたから。平和は努力しないで得られるものではない。互いがしっかり近隣諸国の人々をいつくしみ、心の底から手を握り合うことが平和を創造すること」と述べた。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年7月7日