台湾地区には大暑に、この時期最もおいしくなり、体を冷やしてくれる作用があるパイナップルを食べる習慣がある。パイナップルの現地の言葉「閩南語」の発音が繁栄を意味する「旺来」と同じであるため、平安や商売繁盛のシンボルともなっている。
その他、福建省莆田市には、大暑の時期にライチや羊肉、米糟(もち米の酒糟をうすめたもの)などを食べる習慣がある。
羊肉のスープで体の熱を汗で出す
中国では、大暑の時期に、体を冷やす食品を食べるのとは正反対に、体を温める作用がある「熱性」の食品を食べる地域もある。例えば、広西チワン族自治区の中部や北部には、若鳥を食べて栄養補強をする習慣がある。また、山東省の多くの地域、例えば、棗荘市には、大暑になると羊肉のスープを飲む習慣がある。
大暑に羊肉を食べることに関して、栄養学者は、「最も栄養がある時」としている。夏の最も暑い時期「三伏(さんぷく)」になると、体の中に熱がこもり、ラー油、酢、ニンニクなどと共に、羊肉のスープを飲むと、全身汗だくになる。この汗により、心臓や肝臓、脾臓、肺、腎臓の熱を下げ、デトックス効果も期待できるという。