都市として3千年あまり、首都として860年あまりの歴史を持つ北京に住んでいてよく思うのは、この都市をこれほど長い間絶えず繁栄させてきたものとは何だろう、ということだ。その答えは、「包容力」かもしれない。北京には中国各地、世界各地からの移民が住んでおり、これらの人々によって、生き生きとした、旺盛な生命力が引き出されているのだ。そして今、これらの活力が「2022年冬季五輪の招致」という形で体現されている。(文:韓喬生・スポーツ解説者、スポーツ評論家)
北京は1990年代にアジア競技大会を開催した。2008年にはグリーン・科学技術・人文の理念を掲げる北京五輪が開催され、融合・団結・包容・共存という五輪の特徴が十分に体現された。
現在、北京と張家口は2022年の冬季五輪を共同招致している。ここからも、中国人のスポーツ理念の飛躍と質的変化が伺える。かつて、中国人の五輪に対する概念は「国のために栄光を勝ち取る」という単純なものだったかもしれない。しかし現在、我々の着眼点はより豊富になった。たとえば、北京は冬季五輪の招致において「選手主体、持続可能な発展、節約開催」の3つの理念を掲げている。
7月31日、2022年冬季五輪の開催地が決定される。冬季五輪の招致はスポーツ競技と同じで、最終的な結果が重要なわけではない。重要なのはその過程だ。我々は冬季五輪を招致する上で、最も少ないお金で最大の効果を上げ、最良の事を成し遂げ、社会のプラスのエネルギーを増やすと同時に、スポーツの理念を人々の心に浸透させた。この点から見て、我々はすでに勝利したと言える。招致の結果がどうあれ、国民全体の健康的で積極的なライフスタイルの促進につながったことに違いはないのだ。
将来、中国のスポーツ消費は巨大な市場となる。冬季五輪の招致により、社会全体のスポーツ・文化への投入を牽引することは、まさに「百利あって一害無し」だ。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年7月29日