日本の東芝の不正会計問題がこのところ相次いで報道され、まるで地震のようだと言われている。日本企業の信用を損なっただけでなく、日本の製造業が直面するモデル転換の厳しい課題を映し出した。人民日報が伝えた。
東芝の不祥事が明らかになる以前にも、日本では数々の事件が起きていた。三洋電機の家電市場撤退、ソニーの事業分社化、パナソニックの工場売却、シャープの「株を売って自らを救済」などなど……1年の間にたびたび事件が起こり、日本の製造業の国際競争力の全面的低下という現実が白日の下にさらされた。
1990年代以降、日本の製造業は下り坂を歩き始めた。電子産業の営利能力は急激に低下し、営業利益率の平均は10年間で7%から2%まで一気に落ち込んだ。21世紀になると、大手電子メーカーはほとんど利益が出なくなり、日立やパナソニックなど6大メーカーは大幅な損失を出して、赤字総額が一時は2兆円近くに達した。衰退期に入った日本企業は、さまざまな措置を取って改革を進め、自らを救済しようとした。電子産業の半導体分野では、韓国企業と米国企業の挟み撃ちを抜け出すため、東芝、富士通、三菱が大規模な業界再編を敢行。だが改革は徹底せず、日本にはまだ半導体の設計と製造を専門的に手がける企業が誕生していない。
▽日本製造業の戦略モデル転換が苦況に陥ったのはなぜ?
第一に、戦略的な誤りが企業資源の浪費を招き、伝統的な競争上の強みまで失わせてしまったことがある。一部の企業は無計画に米国モデルに追随し、モデル転換を急ぎ、形だけ真似して成果を上げることができなかった。ソニーの成果主義に基づく改革は上層部の待遇を向上させただけで、多くの技術者がソニーを去り、技術的な強みが失われた。一部の企業は成果を急ぎ、大金を投じて合併買収(M&A)を行った。統計によると、過去10年間に日本企業は一日平均1社以上の海外企業を買収した。国際化の推進を大規模に強行して、最終的には「消化不良」を起こし、かえって企業の発展を遅らせることになった。東芝は54億ドル(約6666億円)を投じて米国ウェスチングハウス社を買収したものの、研究開発投資が足りなくなり、技術の進歩が遅れ、2013年には特許資産規模ランキングで前年の2位から5位に転落した。