▽対象「ペット化」による矛盾からの逃避
「萌え文化」は、流行文化にとって意義のある新ジャンルと考えることはできる。硬直した文化体系に一種の新鮮な選択肢を与え、消費者にもより強くより多元的な力を与えるものではある。しかしある意味では、「萌え文化」は、対象の「ペット化」によって現実の矛盾を逃れ、芸術創作における批判性という価値に背を向けるものとも言える。
文化は進歩するものであり、人もまた成長するものである。「萌え」を一般的な文化ジャンルと捉えるより、「萌え」に対する衝動を原初的な情緒への回帰とみなした方が、より意義のある見方をすることができるだろう。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年9月21日