2015年10月13日  
 

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安倍内閣の改造、大きな効果は期待できず (2)

週刊!深読み『ニッポン』第84回

人民網日本語版 2015年10月13日08:56

 いわゆる「一億総活躍」の核心的な内容は、日本ですでに急速に進みつつある少子高齢化の人口構造の形成に歯止めをかけ、日本社会の活力と創造力を再び引き出し、長期にわたって低迷を続ける日本経済を有効に復興することにある。安倍首相はこのため、日本経済を盛り返すための「アベノミクス」の「新3本の矢」として、力強い経済と育児支援、社会保障を打ち出した。だが日本経済の問題は長期にわたって蓄積されたもので、人口構造の転換も短期的には難しく、参議院選挙前の数カ月で安倍政権が改めることのできるものではない。

 安倍政権の内閣改造という重要な節目に合わせたかのように、長年にわたって遅れてきたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉で合意が達成された。安倍首相はTPP合意達成を大きな実績として誇っている。だがTPPは両刃の剣であり、自由貿易と市場開拓に便利をもたらすと同時に、日本国内の農産品市場にとっては大きな打撃となる。この打撃による最も直接的な影響は、日本で複雑な勢力を形成している農業団体の利益をおびやかすことにあり、もしも農業団体の利益がより一層損なわれることになれば、自民党の政治基盤に動揺を与えることにもなる。自民党を支持していた有権者がその他の政党の支持に回れば、来年夏の参議院選挙だけでなく、その後の衆議院の総選挙をも危機に陥れることとなる。

 毎日新聞は安倍改造内閣について次のような評論を掲載した。新内閣は「経済が最優先課題」と強調するが、参議院選挙を控えて、経済政策の応対をことさら強調している姿には、これまでに強まったタカ派イメージを修正するためとの印象をぬぐえない。安倍首相は参議院や衆議院の選挙においては経済政策を中心に置きながら、一旦選挙が終わると安全保障や憲法改正などに話題を集中させるという手法を取ってきた。安倍首相は、すべての問題を覆い隠すために経済重視を用いるべきではない。

 安倍政権の内閣改造には確かに、有権者の視線をずらすという応急的なねらいがあるように見える。だが問題は、安保法案がもたらす危険から日本の有権者の視線をずらすことが本当にできるのかということだ。計画によれば、新たな安保法案は来年3月末から正式に実施されることとなる。参議院選挙のちょうど3カ月前である。安保法案の強行採決は日本社会を分断した。来年3月末に安保法案が正式に施行されても、具体的にはいかにこれを執行できるのか。安保法案の正式な施行後、これに続く海外での任務執行ではいかなる結果が生まれるのか。自衛隊員の生命の安全をいかに保障するか。こうした問題は、日本の有権者の忍耐と良心を試すものとなる。

 経済カードの効果がすぐに表れず、有権者が「騙された」との感覚を持てば、安倍首相が率いる自民党に有権者は再び投票するだろうか。経済の重視によって安保法案に反対する風潮を覆い隠すという安倍政権の手法がどこまで通用するかは疑問である。

 安倍政権の内閣改造後、世論の関心が高いもう一つの重要な問題は安倍政権の外交である。安倍政権はここしばらく、多くの外交活動を集中的に展開してきた。中でも対露外交の進展には重点が置かれ、プーチン大統領の年内の訪日に向けても十分な準備が行われている。だが領土交渉にせよ、プーチン大統領訪日にせよ、第2次大戦の歴史の結果の評価という根本的な問題にかかわるものであり、安倍首相が根強い修正主義的歴史観を持っている以上、日露関係をどの程度発展できるかには疑問が残る。


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