中国保険業協会や中国人力資源・社会保障部(人社部)社会保障研究所など5つの機関が11月29日、「2015年中国勤労者の老後資金指数 大・中都市報告」を共同で発表した。報告から、中国の高齢化は相当進んでいるという実態が明らかになった。人民日報海外版が報じた。
専門家はこれについて、「中国の今後の高齢化対策は、極めて厳しい状況にある。社会保障体制の改善を絶え間なく進め、基本年金制度を整備すると同時に、商業保険など補完的な役割を担うシステムの発展を推進し、多様化した年金体制を構築することで、誰もが『老いても扶養が受けられる』状況を実現する必要がある」と指摘した。
〇高齢者人口総数が世界最多
統計データによると、2014年の時点で、中国の60歳以上の高齢者総数は2億1200万人に達し、総人口の15.5%を占め、世界で高齢者人口が最も多い国家となった。
中央財経大学社会保障研究センターの褚福霊教授は、「高齢者人口の増加にともない、年金制度で年金を受給する人が増える一方、年金を納める人が減る」と指摘した。
人社部社会保障研究所の金維剛所長は、「高齢化の加速により、中国の年金の負担が大きくなり、年金制度の整備における圧力が強まり、年金制度改革がますます困難となり、社会の経済発展に対して養老保障が及ぼす影響はさらに小さくなる。これらはいずれも、前代未聞の状況だ」との見方を示した。