スタンダードチャータード銀行の丁爽・中華圏チーフエコノミストは、「中国だけでなく、世界全体にとっても、米ドルは短期的には強い通貨となり、他の通貨はドルに対してほぼすべて値下がりするとみられる。だが比較すれば、人民元は引き続き相対的に強い通貨であり、ドルに対する値下げ幅は比較的小さく、多くの通貨に対しては値上がりが予想される」との見方を示した。
また丁チーフエコノミストは、「基本的側面をみると、中国の対外貿易における黒字は巨額に上り、人民元には長期的値下がりの基盤は確かに存在しない。人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)を構成する通貨(通貨バスケット)に入った後、外国の公的部門や民間部門が人民元資産の配分を増やすとみられ、資本の純流出の状況は緩和される見込みだ」と述べた。
丁チーフエコノミストの指摘によると、「米国経済は思ったほど強くはなく、経済の拡張期はすでに峠を越し、これからは成長が下向きになることがかなりの確率で予想される。こうした状況の中、ドルの勢いは来年第1四半期(1-3月)にピークに達する可能性がある」という。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年12月17日