▽近距離海外旅行、家族旅行が持続的な伸び
中国観光研究院が発表した最新のデータによると、中国の海外旅行者数と海外での購買力は3年連続で世界一になった。15年の海外旅行者数はのべ1億2千万人を超え、海外消費額は1兆1千億元(約20兆4640億円)に達する見込みだ。
15年の春節(旧正月)連休期間に日本を訪れた大陸部の観光客はのべ45万人に上り、日本に1125億円の消費額で貢献した。その原因として、日本と韓国の大陸部住民向け査証(ビザ)の発行要件の緩和政策、人民元レートの上昇、海外旅行産業の持続的な改善、中国人の持続的な資産の蓄積、消費財に対する中産階級の要求の高まりが挙げられる。また今年は米国が大陸部住民向け査証の緩和政策をうち出したため、米国を訪れた大陸部の観光客の増加率が39%に達した。
子供の学校が休みになると、親たちは休みを取り、家族旅行の人気がますます高まっている。調査データによると、15年の夏休みの海外旅行者のうち、家族旅行が占める割合は50.1%に達した。両親は夏休みの海外旅行は家族の絆を深めるとともに、子供の能力を伸ばす機会であると考える。また「パパ、どこ行くの?」といった旅バラエティ番組の人気が親子旅行を側面から盛り上げる。観光地や旅行社の多くが親子旅行をテーマにした旅行商品を次々にうち出し、科学的知識を織り込んだり、教育的配慮をしたり、参加型にしたりするなど、あれこれ工夫をこらしている。
▽文化娯楽消費が急激な伸び
第13次五カ年計画の提起では、2020年をめどに文化産業を国民経済の基幹産業に発展させることが明確にうち出された。15〜20年の6年間に、文化産業の生産額は名目GDPベースで5兆元(約92兆9178億円)に達することが予想される。
15年に文化娯楽方面で最も注目を集めたのは映画産業だ。統計をみると、12月3日までの興行収入は400億元(約7433億円)の大台を初めて突破し、前年同期比47.4%増加した。年末までに440億元(約8176億円)に達する見込みだ。北京大学の張頤武教授は、「中国が将来、世界一の映画市場になることに、いささかの懸念もない」と話す。