劉素雲さんは日本の学校における体育が体力アップを目指したのは1950~1970年代初期であるという。工業化社会で大量の人材が必要だったことと、1964年の東京オリンピック開催がその社会的な背景として考えられる。しかし現在では学校の体育は生涯にわたって運動に親しむことを目指しており、その理念は「生きる力」としている。
日本では学校での体育が重視されており、小中学校の体育の授業時間数の割合は中くらいからやや多めになっている。小学校1年生から4年生までの体育の授業は国語と算数の次に多く、5年生以上になると授業時間数がやや減少するが、基本的に小学校5年生からは運動部での運動種目がほぼ決まり、運動部で定期的な活動に参加する。
劉さんは日本の学校での体育で最も印象深く感じたのが、日本の社会が体育文化を非常に重視している点だ。政府だけでなく、社会、学校、家庭でも体育の重要性を非常に重視している。
日本では運動好きで運動能力に優れた子供の保護者はそれを誇りにしており、子供が満足する運動部のために転校することも日本では決して珍しいことではない。
劉さんは、日本の学校における体育が成功をおさめ、学生の体力と健康状態を常にいい状態で保つことができたのは、体育を重視する学校側の努力だけでなく、社会全体の重視とその完備された制度があったからだと指摘している。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年1月15日