無形遺産申請で連敗中の中華料理
しかしながらこれまでの中国料理の無形遺産申請の結果は、はかばかしいものではない。2011年に中華料理として「伝統的な調理テクニック」を申請したが、中国文化部の審査を通過できず、予備リスト入りすらできない散々な結果となった。
この件に関しては2008年に申請団体となった中国調理協会が第一回の無形文化遺産申請は美食そのものではなく、調理テクニックだったことが敗因と分析している。「中国の伝統的な調理テクニックは非常に幅広く複雑で内容もとても多く、資料をまとめるのも困難で、外国人に理解してもらうことも非常に難しかった。専門のテクニックは大きく35タイプ、130シリーズに分けられ、揚げ物だけでも7~8種類の揚げ方があり、外国人どころか中国人ですらはっきりわからないだろう」と中国調理協会の馮恩援・常務副会長は取材に対しコメントしている。
中国調理協会は2015年3月ユネスコの承認を得て、「中国の美食」を携え、ユネスコ組織本部に世界無形遺産リストへの登録申請を正式に提出した。申請項目の代表的な美食として「広式焼鴨」、「刴椒蒸魚扇」、「杏香蝦排」、「蒜香鶏翅」、「五香凍羊糕」、「揚州炒飯」、「文思豆腐羹」、「梅干菜燜牛排」等が持ち込まれたが、これもリスト登録を果たすことができなかった。
キムチの申請成功を読み解く
2010年、フランス料理がユネスコ無形文化遺産代表作リストに登録されたのに続き、地中海料理、トルコの伝統料理、メキシコの伝統料理が相次いで登録を果たした。2013年には韓国が「キムジャン」、日本が「和食」の登録に成功、2015年には北朝鮮の「キムチつくり」も無形文化遺産に登録された。
申請に成功している例を見てみると、いずれも単なる食べ物という項目でリスト入りを果たしているわけではない。あるメディアは申請に成功した食べ物はいずれもその国の民族文化や伝統、風習などを象徴していると指摘している。
韓国のキムジャンがいい例で、2003年の時点で、韓国キムチは量産化、規模化、標準化された生産を行っており、同時にハイテクツールを大胆に導入し、伝統的な商品に対する科学的研究が進んでいるとメディアで紹介されている。
この他にも韓国のキムジャンが申請を果たす以前に、韓国のキムチ文化は韓国ドラマを通じて広く認知されている。また世界に「キムチ文化」を宣伝するため、韓国は特別に国の祝日も設けている。1994年から毎年10月には「キムチの郷」の称号を得ている光州で「キムチ文化祭り」を開催しているほか、光州には「キムチ博物館」が建造され、キムチとその文化に関する文献や考古学的発見等が展示されている。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年1月22日