鴻海が発表した声明によると、シャープは24日、鴻海に新たな重要文書を送り、鴻海側は25日(シャープが同日の取締役を開催する前)、シャープに「(重要文書を)精査する必要があり、合意に達するまでしばらく契約を見合わせる」と伝えたという。
メディアの報道によれば、富士康が契約を見合わせるのは、シャープが一連の新たな情報を明らかにしたからで、特に約3500億円の「偶発債務」の存在があるという。
富士康は声明の中で新情報について詳しく述べていないが、情報通によると、「富士康はシャープの今後の財務リスクを検討して契約をしばらく見合わせると決めた。富士康は24日にシャープから約3500億円の『偶発債務』のリストを受け取った」という。
同情報通は、「富士康は100項目に及ぶリストを精査中で、シャープ買収取引を放棄したわけではない」と話す。
▽買収は最善の帰結か
シャープは液晶事業の低迷により、2014年度(14年4月~15年3月)に2200億円を超える大幅な赤字を出した。15年度も予断を許さない状況で、100億円の黒字を達成するのは非常に厳しい状況だ。
家電専門家の劉歩塵さんは、「シャープの立場に立つと、ここ数年の経営状況は下り坂だ。業界では有機ELパネルが次世代のディスプレーとみなされており、世代交代前に液晶事業の売却に成功すれば、シャープは最後のチャンスをうまくつかまえたことになる」と話す。