1993年、日本の不動産価格がピークを迎え、バブルの崩壊が始まり、不動産価格は瞬く間に滑り落ちた。しかし、筆者を含め多くの人が下落は一時的なもので、すぐにまた回復すると思い込んでいた。「日本の国土は狭く、都市には家が必要な人で溢れ返っているのに、下がり続けるわけがない」と。そのため、バブルが崩壊している間も、どれほどの人が依然不動産の購入に夢中になっていたことだろう。
20年以上が経ち、今では当時筆者を代理で並ばせていた社長の工場もなくなり、当時買った家も値打ちはなくなってしまっていた。社長の息子は、「父は早くに破産し、今では人影すら見当たらなくなった。兄弟3人のうち一人だけが学費の安い国立大学に進学でき、他の2人は大学へ行く費用すらなかった」と語った。友人の横田氏の1億円の家も、「現在の価値は数百万円しかなく、そんな価格を提示しても買ってくれる人はいない」のだという。1000万円として計算しても、今の人民元レートではたった50万元程度。「ローンという無形の数字が人生の半分を圧迫し、退職後も重く頭に圧し掛かっている」と横田氏は語る。
不動産バブルから20年以上過ぎた今、東京の六本木といった場所の不動産価格は近年ようやくピーク時の半分まで上昇した。こうした場所を除いては、依然不動産価格を回復させようなど「天に登ることよりも難しい」情況だ。現在日本で売られている有名産地のフランスの新しいワインでも、価格は80~90年代の10分の1。それでもこのワインのために並ぶ人はほとんどおらず、保存する人などさらに少ないだろう。(編集IM)
「人民網日本語版」2016年3月11日