棋士と囲碁プログラムの戦いは、1勝4敗で終了した。とは言え人工知能はまだ、長い発展の道を歩む必要がある。「AlphaGoの計算システムは水のようなもので、プロセッサは水を入れる碗のようなものだ。グーグルは碗を見つけることができず、瓦の破片に水を入れるしかなかった。ニューラルネットワークプロセッサの『カンブリアン』は、この碗の役割を果たす」――。中国科学院計算技術研究所はこのほど、世界初となる「ニューラルネットワークプロセッサ」の科学研究成果を発表した。この成果は年内に実用化される。近い将来、なりすまし防止の顔認証決済、携帯電話の画像検索などが現実になる。北京晨報が伝えた。
同研究所の陳天石補助研究員によると、この成果は将来、企業や科学研究所などの高性能サーバー、高性能端末用チップ、ロボット用チップに応用されることになる。例えば携帯電話で撮影すれば、被写体が誰であるかが分かる。多くの動画を種類や好みによってスマートに分類できる。顔認証決済も容易に実現される。画像検索も現実化し、路傍で一本の木を撮影すれば、この木に関するすべての資料(現在の文字以外も含む)を検索できる。陳氏は、未来のサービスは国民生活だけでなく、国の重大な需要も満たすと述べた。
AlphaGoが人類に勝ったが、機械が完全に人間の代わりになる日は来るのだろうか?陳氏はこの考えは杞憂だと述べた。人工知能ができることには、まだ限りがある。AlphaGoは人間の頭と違い、計算力によって人間に勝つことしかできない。人間はゆっくりではあるが、計算が可能だ。そのためAlphaGoは、人間の思考を上回っていない。陳氏は、「人間にはできないことで、機械が必要になる場合がある。ロケットを使って火星に到達するようにだ」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年3月21日