「上海市老人権益保障条例(以下、条例)」が今年5月1日に施行される。精神的な面で家族が親の面倒を見る「常回家看看(実家に頻繁に帰省する)」の規定については、さらに一歩踏み込み、高齢者施設に入居している高齢者を持つ家族は、「常去院看看(施設を頻繁に訪れる)ことが義務付けられる。新聞晨報が伝えた。
子供などの家族が高齢者の面倒を見ることを拒否した場合は、高齢者は訴えを起こし、家族が義務を履行するよう求めることができる。上海の裁判所でも、高齢者からの訴えに基づき、「子供はたびたび実家や高齢者施設に親に会いに行かなければならない」という判決を出している。もし、当事者がこの判決の決定による義務の履行を拒否した場合は、信用プラットフォームにその情報が記載され、仕事や生活にある程度のマイナス影響がもたらされる可能性がある。
○高齢者施設による注意喚起制度を構築
「条例」では、高齢者施設が家族に注意を喚起するという制度が構築された。法制弁公室は、「条例」の改正プロセスにおいて、高齢者施設に入居している高齢者の中には、慣れない環境に身を置いているため、子供や家族に会いに来てほしいという要求がひときわ強い人がいることが分かった。このため、高齢者の親が施設に入居している家族に対して、自分からは会いに行けず、ただ子供たちの来訪を心待ちにしている高齢者を精神的にケアすることを促す目的で、「条例」は、「高齢者施設に入居している高齢者を家族は頻繁に訪問しなければならない」「高齢者施設は、長い間会いに来ない高齢者の家族に対して、来訪を促すよう提案することができる」と定めている。
上海市政府発展研究センターはこのほど、課題の公開入札を行い、家庭における高齢者扶養責任システムを実現するための研究課題に取り組むこととした。関連当局は現在、高齢者権利保護のためのネットワーク完備に向け、調査研究を進めている。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年4月8日