第3段階は今回の実践10号の実験だ。この実験のために、研究者は10年間で数万個の胚を使い100回以上の実験を行ってきた。研究者は現在、マウスの胚の宇宙での成長に関する画像を、地上で見ることができるようになった。
前回の宇宙実験と比べ、今回の実験は技術面で大きな進歩があった。まず中国科学院上海技術物理研究所は、質の高い胚培養ケースを開発した。地上で胚の成長に関する実験を行う際には、まずCO2培養ケースが必要で、さらに通気用のボンベで気温と湿度を維持し、さらに顕微鏡で観察しなければならない。同研究所の張涛氏らはこのような「実験室」を、重さ17キロの、電子レンジと同じ大きさの培養ケースに圧縮し、高性能顕微鏡を搭載した。2つ目の進歩は、マウスの2細胞期胚が、衛星打ち上げ8時間前に積載されたことだ。3つ目は、研究者が開発した、胚の宇宙での発育に適した密封型培養システムだ。これらによって、胚は衛星打ち上げ後に成長を再開した。
衛星は近日中に地上に帰還する予定だ。科学者は回収されたサンプルを直ちに実験室に送り、細胞生物学と分子生物学の分析を行い、宇宙環境が胚の成長を促進するのか抑制するのか、どのようなメカニズムが存在するのかを判断する。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年4月18日