会場で「紅侠」の伴奏音楽を演奏する日本の有名ミュージシャン大友良英氏
すでに数日を過ぎたというのに、金劼さんの元には毎日のように各地の映画ファンからチケットを求める連絡が入る。今回の北京国際映画祭の「沈黙の声」企画者である彼と彼に率いられた怒瀾影業のスタッフはこの2年間、倉庫から引っ張り出した中国の国産サイレント映画に音楽をつけて、現代の人々の前で蘇らせてきた。北京日報が伝えた。
金劼さんによればその作品は中国国内に現存する最も古い武侠サイレント映画の「紅侠」だ。しかもこのサイレント映画は今も観客にドキドキしたスリルを感じさせてくれるという。
4月14日、中国電影資料館のスクリーンではヒロインと悪役の首領が決戦の時を迎え、耳をつんざくような軍馬の襲来する音が聞こえてきた。この「軍馬が襲来する」音はスクリーンの一角で奏でられる電子ギターと音響効果器で奏でられたものだ。会場でこれらを演奏するのは日本の有名ミュージシャンである大友良英氏。彼は即興演奏で映画に伴奏音楽をつけることを最も得意としている。
伴奏音楽は映画のシーンと完全に一致していなければならず、時には緩やかに、時には暴雨や嵐のように、緩急が交錯し、会場の観客もそれによって感情が左右される。毎回リズムが激しくなるシーンでは、映画ファンの若者の多くがが自分でリズムをとりだす。また興奮して「いいぞ!」と声をかける人もいる。