40回目の国際博物館デーを迎えるにあたり、北京市は昨日、3年以上かけて展開してきた第1回「全国移動可能文化財調査」の結果を公表した。同調査は全市の1万5463ヶ所の国有機関・施設を対象に2012年末に始まり、339ヶ所で移動可能な文化財が確認された。京華時報が伝えた。
2012年末から今年4月1日までの間に、北京市が申告した文化財の数は638万3254点(セット)に上り、このうち、重要文化財は43万9388点(セット)に上り、この数はいずれも全国トップクラスとなった。調査によって、馬王堆漢墓から出土した薬材や昆虫、故宮で発見された清代末期のネガフィルムなど非常に珍しい文化財が数多く存在することが分かった。
北京市文物(文化財)局関係者の紹介によると、移動可能な文化財とは、館内所蔵の文化財、収蔵可能な文化財で、各時代の重要物品、芸術品、文献、手稿、図書資料、代表性のある実物資財などで、重要文化財と一般文化財に分けられる。多くは博物館、記念館、図書館または民間収集家によって保護されている。
11月にはネットで文化財の「身分証」公開
今回の調査を経て、北京市全域をカバーする全面的かつ正確な移動可能な国有文化財の記録とビッグデータが初めて構築され、文化財登録管理メカニズムと文化財保護システムのさらなる健全化が実現した。
次なる展開として、同局はインターネット上に全国の移動可能な文化財を、条件を満たすものから順次公開する。また、定期的に文化財資源の概況を公示し、文化イノベーション産業、スマート博物館プロジェクト、博物館での展示、学術研究といった面での役割発揮を狙う。今年11月にはこれらの文化財の「身分証」がネット上に公開される。
また、今後登録された文化財への保護が強化も期待できる。調査結果に基づき、新たに発見された文化財への修復計画を始動させ、とりわけ歴史、芸術、科学的価値の高い文化財や修復が待ち望まれる収蔵品に対し、応急修復措置が講じられることになる。(編集MI)
「人民網日本語版」2016年5月10日