3Dアニメ映画『STAND BY MEドラえもん』の中国大陸部での人気と、「爆買い」の日本語流行語大賞への選出からも、日本の文化ソフトパワー建設の成果をうかがうことができる。
▽3Dアニメ映画『STAND BY MEドラえもん』
この映画は2015年5月28日から中国大陸部で公開され、興行収入は初日で2708万元(1元は約16.7円)に達した。同年6月26日に初回の公開が終わるまでの約1カ月の興行収入は、2011年に上映された『カンフー・パンダ2』(6億1千万元)に次ぐ5億3千万元に達し、日本での上映期間の4億2千万元を大きく上回った。丸々と太ったこの青いアニメキャラクター「ドラえもん」に中国の視聴者が出会ったのは、中国中央テレビ(CCTV)第2チャンネルで「機器猫」との題名でテレビアニメが放送された1991年のことだった。その後、どんな夢でもかなえてくれるドラえもんのキャラクターは、人々の心に徐々に浸透していった。『ドラえもん』のキャラクターやエピソードは、1980年代生まれの世代にとっては忘れることのできない記憶となっている。昨年の映画での成功は、テレビアニメ作品のエピソードやキャラクター設定、スタイルを受け継ぎ、この世代の人々の記憶をよみがえらせたことにある。
▽「爆買い」が裏付けた日本のソフトパワーの成功
2015年12月1日、日本を訪れる中国人観光客による大量の買い物を指す「爆買い」という言葉が、同年の流行語大賞に選ばれた。これは中国人消費者の購買力が高まり、日本の社会と経済に影響を及ぼすことになったことを示すと同時に、日本の文化ソフトパワー資源の建設が成功したことの客観的な裏付けともなった。報道によると、2015年2月の春節(旧正月)期間に日本を訪れた中国人観光客は45万人に達し、その消費額は1140億円に達した。日本政府観光局の公表した統計データによると、2014年の訪日者数は1341万3467人で、そのうち中国大陸部からの訪日者数は240万9158人だった。2015年の外国人訪日者数は大幅に成長して1973万7400人の過去最高に達した。中国大陸部からの訪日者数も2014年の2倍を超える499万3800人に達し、過去最高を更新した。