ネットワークの世界にはこんな言葉がある。80後(1980年代生まれ)はナマケモノになり始めた世代、90後は非常に怠けている世代。00後(2000年代生まれ)はナマケモノが当たり前の世代、というものだ。今やナマケモノとは一日中家にいてだらだらと何もしない人を指すだけではない。時間の利用効率を高め、より少ない時間でより多くのことをしたいと考えるナマケモノが増えている。
オンラインツーオフライン(O2O)の家まで届くサービスはメディアから冗談半分に、「ナマケ心は人類の進歩の源泉」などと言われており、BAT(百度、アリババ<阿里巴巴>、テンセント<騰訊>)はこの市場を力強く攻めている。百度は200億元(1元は約16.7円)を投じてモバイル団体購入サイトの百度糯米を、90億元を投じて出前サービスの百度外売を発展させようとしている。アリババは昨年、レストラン予約プラットフォームの「餓了麼」に約81億元を投入して、筆頭株主になった。テンセントも今年初めO2O生活サービスの新美大に初めて投資し、美容業界に殴り込みをかけた。艾瑞諮詢や易観などの市場調査会社は、「2017年にはO2O出前事業の規模が400億元を超える」と相次いで予想する。
▽ナマケモノメディアは減点法で
ナマケモノの携帯電話には、「時間を節約する」アプリが雨後の竹の子のように次々インストールされ、分散し細分化された情報が空気のように生活のあらゆる場面に漂う。わずか数年で、中国は情報不足から情報の氾濫へと変化した。
ナマケモノメディアも登場した。わかりやすく言えば消費者の生活に減点法で対応する広告メディアのことだ。15年に行われた調査によると、映画館の広告とビル広告がナマケモノに最も歓迎されるナマケモノメディアだという。15年には映画館の広告が前年比67%増加し、先見の明のある広告主は自社製品の消費者が「ナマケモノ病」の患者であることをいち早く見抜いていた。