◆文化・クリエイティブグッズ、昨年の売上は10億元
故宮はテンセントとの事業提携前にも、すでにオンラインショッピングサイトの淘宝網(タオバオ)でネットショップをオープンさせており、そこで販売する文化・クリエイティブグッズは大人気となっていた。昨年8月、故宮が淘宝でセールを行うと、最初の1時間で1500個の携帯電話用スタンドが完売したほか、1日の取引件数は1万6000件にもなった。中国博物館文化創意専業委員会副主任委員、故宮博物院経営管理センター副センター長の劉松林氏は「昨年12月までに故宮博物院は8683種の衣料品、陶磁器、書画などの文化・クリエイティブグッズシリーズを開発し、具体的な商品としてはネックレス、キーホルダー、傘、トランク、ネクタイなどが含まれる。故宮の文化・クリエイティブグッズの売上は既に10億元を突破した」と語った。
故宮博物院の馮乃恩副院長は「この10億元の売り上げは故宮が開発した萌えキャラシリーズの商品だけではない。文化・クリエイティブグッズには他にも旅行の記念品や故宮出版社の刊行物も含み、授権方式で数多くの企業と提携した場合の経常勘定やデジタル故宮チームが研究開発した商品も含まれる」と述べた。
馮氏は「故宮を始めとする伝統文化の需要を、より正確に判断していきたい。萌えキャラグッズは多くの文化・クリエイティブグッズの一部に過ぎず、8割以上の商品は豊かな文化的要素に基づいた商品となっている。ネットショップで販売している文化・クリエイティブグッズは基本的に、上品でエレガントなラインナップのシリーズだ。故宮はただ一部の萌えキャラグッズのかわいらしさを利用し、まず人々に他の文化・クリエイティブグッズを知ってもらおうとしている。故宮に興味さえ持ってもらえれば、故宮が開発した商品にも興味を持つことになり、その中には上品な商品もあれば、クールな商品もある。私たちはこのような一般人に受け入れられやすい形で、故宮の文化をより遠くまで広げていきたい」と話した。
◆真剣に萌えキャラを追求する故宮
故宮は真剣に「萌えキャラ」を追い求めている。劉氏によると、故宮の文化・クリエイティブグッズの開発期間はいずれも8ヶ月前後で、アイディアを商品化するすべてのプロセスを厳しく管理している。故宮博物院ニューメディア責任者の于壮氏によると、故宮とテンセントの提携チームで落ち物系ゲーム「天天愛消除」の故宮テーマバージョンを開発した際に、皇帝の帽子や服装だけでも多くの時間を研究と熟慮に費やしたため、テンセント側のメンバーまでこの方面の専門家並みの知識を得ることになったほどだという。
故宮博物院資料情報部の蘇怡副主任は「人々は時々、故宮人気がますます沸騰し、さながらネット有名人のようだと冗談を言う。私はこれは、私たちと人々がともに努力した結果であり、人々とのぶつかり合いから生まれた次世代の伝統文化の光だと思う。故宮のチームは近年、最新のデジタル技術を通じ、インターネットにより古代建築物と収蔵品の説明を行い、参観者との距離を縮め、親しみやすくしている。博物館はクールであるべきだとは思わない。過去の文化財や知識をこの場所やこの時代に封印すべきではない。そんなことをすれば、文化は生命力を失うことになってしまうだろう」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年7月12日
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