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日本の醤油からみえる革新 中国人青年が見学 (2)

人民網日本語版 2016年08月12日08:46

北京大学の雪キ(玉偏に奇)さんは、「醤油は日本の料理には欠かせないもの。雑炊やお茶漬け、麺類、パン、スシの調味料、出汁、お菓子など、醤油の入っていないものを探すのは難しい」と話す。小さな醤油が世界各地に広がったのはなぜか。キッコーマンは醤油の新市場を開拓する時、現地の人が醤油を使って現地の食材を調理することを考える。たとえば米国のスーパーでは醤油味の焼き肉の試食を提供する。このような普及の方法は「食育」と呼ばれ、これまでに醤油はフランス料理、イタリア料理、中華料理、韓国料理に影響を与え、料理の中にとけ込んでいる。

企業市民と食育の理念。これが中国人民大学の張黎陽さんの抱いていた疑問への回答となった。張さんは、キッコーマンが世界各地で行う取り組みは投資とリターンがつり合わないと思っていた。たとえばイタリアでコメを栽培し、現地の生態環境の回復を目指したり、世界各地で健康食品の理念についての教育活動を展開たり、料理教室を開催したり、などだ。「そこにからわかることは、キッコーマンは最高級の醤油を作って、これを魅力溢れる文化的商品にしたということだ」という。

張さんはキッコーマンの若い社員と交流した際、社員達が企業に示す「変わらぬ」忠誠心や企業と従業員との和やかな関係性に多くのことを学んだという。中国の人材サイト・英才網聯と教育サイト・騰訊教育が2012年に発表した調査データをみると、中国の若い大卒者で初めて就いた仕事を1年以内にやめた人は47%に上り、3年以上続いた人は18%にとどまった。こうした現象は日本企業の「終身雇用」の企業文化と鮮明な対照を成すことは明らかだ。

キッコーマンの根幹となる事業の伝承には「8家の共同統治」という大きな特徴がある。8つの家があるが、優れた人物でなければ入社できない。8家はライバルでもあり、それぞれが後継者の教育に熱心になるのは当然のことだ。現在の堀切社長も初めは営業販売職を担当し、市場開発、製造などさまざまな現場を経て、40年以上かけて現在の地位にたどり着いた。

張さんは、「社長の忠誠心が一族企業の伝承への思いからきているとすれば、若い社員の企業に対する忠誠心は仕事上のキャリアと自分自身の価値に対する明確な認識に基づいていることは明らかだ。個人が企業に履歴書を送る際、日本の若い人はなぜその会社で働きたいか、会社のために何ができるかを明確に記載する。履歴書は単なる個人の紹介状ではない。企業の福利厚生をみると、日本では同じ規模の企業であれば待遇はほぼ同じで、社員は何か特技がなければ、たびたび転職して給料を上げるということはできない」と話す。(編集KS)

「人民網日本語版」2016年8月10日


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