また一方では、米国はTPPを「アジア太平洋リバランス戦略」の経済面でのカードと考えている。オバマ大統領が任期中に推進したアジア・太平洋戦略は地域の政治、経済、安全保障など各方面における米国の「指導力」を維持することが狙いで、中国と競争しようという姿勢が明確だった。15年10月、オバマ大統領はTPP交渉の終了後に声明を発表し、米国は中国のような国家にグローバル貿易のルールを制定させることはできない、米国がルールを制定すべきであるとの見方を示した。TPPは「開放的」な協力メカニズムであるとしながら、あの手この手で中国を排除しようとしてきたのだ。
総合的にみると、米国の私心と私利私欲をはかる姿勢がTPPを暗礁に乗り上げさせた。TPPは開放協力時代の発展トレンドと逆方向を向いており、国際経済秩序の公正で合理的な発展の方向性に合致せず、人類の運命共同体の建設にとってメリットがない。TPPは中国を囲い込むこともできない。中国は10兆ドル規模のGDPを抱える世界2位のエコノミーであり、貨物貿易では世界一の大国であり、世界各国が中国の発展のもたらすチャンスに注目し、世界経済の発展における中国の役割を重視している。中国は開放協力の方針を堅持し、包容・連動型発展を推進する。ここ数年、中国の対外経済貿易協力が発展を続け、中国が提唱する「一帯一路」(the belt and road)建設が加速的に推進されている。主要20カ国・地域(G20)首脳会合(杭州サミット)の開催に成功してからは、中国はグローバルガバナンスを牽引する主要パワーの1つにもなった。
TPPは暗礁に乗り上げ、「アジア太平洋リバランス」の重要な経済的支柱が倒壊する。これは一部の米国人が見たくないものであることは明らかで、多くの米国人が深く考えるべきことだ。米国が「冷戦思考」を捨て、「ゼロサムゲーム」をやめ、協力・ウィンウィンと共同発展の正しい道に回帰することを願う。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年11月14日
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