米商務省がこのほど、米企業に対して中国通信機器大手・中興通訊(ZTE)への部品輸出などの取引を7年間禁じる措置を発表したことに、中国の産業界も注目している。同措置が中国のハイテク産業の急速な発展の足かせになる可能性はあるのだろうか?中国はこの制裁にどう対応するのだろう?人民日報が報じた。
輸出規制は中国のハイテク産業の急速な発展を阻めない
中国国家発展改革委員会マクロ経済研究院の王昌林・常務委副院長は、「米国商務省が発表した中興通訊(ZTE)への部品輸出などの取引を7年間禁じる措置は、中国のハイテク産業の発展に一定の影響を及ぼすだろうが、その急速な発展の足かせとはならない」との見方を示す。
そして、その理由について、「中国は世界のハイテク産業チェーンにおいて重要な役割を果たしている」からと説明。「米国が中国に対する主要技術の輸出を大規模に制限すれば、中国に影響が及ぶのは確実であると同時に、米国、日本、韓国の電子情報産業にとっても打撃となるのは必至。また、米国などの先進国の製造業は主にハイテク製造業が支えており、ハイテク産業が打撃を受ければ、米国の関連の研究開発サービスなどの業界、ナスダックなどの資本市場にも影響を及ぼし、結局は米国の経済、世界の経済に重大な影響を及ぼすだろう」と指摘する。
中国のハイテク産業はイノベーションの分野で重要な進展を見せており、加速して強大になるための多くの優位性を身に着けるようになっている。王副院長は、「中国ではすでに、整備が進み、サポート業務がそろい、能力が巨大な産業体系が形成され、イノベーション型リーダー企業が誕生するようになっている。長年の努力の結果、中国は現在、マイクロチップ、オペレーティングシステムなどの分野で、知的財産権を有する技術、商品を持つようになっており、国防・軍需産業などの分野でも大規模な応用が実現し、ハイテク産業が加速して強大になるための基礎ができている。国内市場の規模や発展のポテンシャルは巨大で、強大な内需がコア技術の研究開発、産業化を促進している。これは他の多くの国にはない強み」と分析する。
そして、「貿易摩擦や技術的障害は、一国のハイテク産業の発展を阻むことができないことを実践は証明している。1970年代、半導体産業の分野で、米国と日本の間で貿易戦争が発生したが、日本の半導体産業の台頭を阻むことはできなかった。また、近年、米国などは中国の太陽光発電産業に対して、アンチ・ダンピング調査を行い、相殺関税を課してきた。しかし、中国の太陽光発電産業の急速な発展の足かせとはならなかった。そして、航空・宇宙飛行、炭素繊維などの業界を見ると、先進国の技術封鎖は逆にそれらの業界のイノベーション能力向上につながっている」と指摘する。
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