遼寧省がこのほど発表した「遼寧省人口発展計画(2016-2030年)」が広く注目をあつめている。今後十数年の発展目標を定めた同計画によると、2015年に0.9だった合計特殊出生率(TFR)を2030年までに1.8に引き揚げ、子育て家庭の税収・教育・社会保障・住宅関連政策を逐次改善し、2人の子供を育てる家庭を対象とした奨励政策を増やす模索を続ける方針。香港商報(電子版)の報道を引用して参考消息網が伝えた。
出生率や自然成長率がここ数年、国内で最も低い省となっている遼寧省が、出産・育児を奨励する政策を率先して打ち出したことは、もっともな事だといえる。関連データによると、同省は、常住人口が3年連続で減少しており、人口の自然増加率もこの7年間で6回マイナス成長という苦境に陥っている。その原因について、計画では、「出産・育児適齢期にある女性の数が減少し、出産年齢が後ろ倒しになり、高齢化も激化するにつれて、『全面二孩(すべての夫婦に第二子出産を認める)』政策(二人っ子政策)が実施された後、TFRが一時的にやや上昇することはあっても、世代交代がバランス良く行われるレベルにまで出生率を上げることは極めて難しい」と指摘している。
実際のところ、今年に入り、中国における人口情勢の現状に対する議論は高まり続けている。多くの人口学専門家は、「経済発展レベルが高まり続けるにつれ、中国における高齢化時代への突入は加速しつつある。高い住宅費、育児・教育コストの高騰、そして『年をとってから子供に面倒を見てもらうために子供を産み育てる』、『子だくさんが福をもたらす』といった子供を育てることに対する考え方の変化によって、人々の出産・育児に対する意欲が大幅に低下しつつある」との見方を示している。
これらを裏づける事実として、中国は2016年に二人っ子政策の実施を始めたが、ここ2年の新生児数および出生率はいずれも下落していることが挙げられる。また、出産・育児適齢期にある女性の数がだんだんと減少するにつれ、「少子化」現象も避けては通れなくなっている。これらのことを踏まえると、出産・育児奨励政策の登場は、当然の成り行きといえるだろう。
計画出産(一人っ子政策)から全面的な二人っ子政策への移行、さらには出産・育児の奨励は、中国の人口政策にひっそりと変化が起こっていることを示している。出産・育児奨励策が遼寧でまず登場したことは、非常に明らかな「人口を増やそう」というサインであり、国内の他の地域も遼寧に追随すると予想される。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年7月19日
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