【第115回】労働契約の競業制限条項について
事件の背景
甲はA社の華南区マネジャーとして勤めており、その労働契約の期限がそもそも2008年9月までに満了するが、会社の経営政策に不満し、2008年2月にA社を退職しました。A社との労働契約第36条(以下「第36条」という)には、期間が離職一年以内になる競業制限条項は定められるが、競業制限期間の補償金の支払基準、地域及び違約責任などは定められていません。
そして、再就職しようと考える甲は、第36条には競業制限そのものが定められているが、補償金の支払基準につき定められていなく、かつ、補償金の支払基準につき別途会社と協議できないから、当該競業制限条項が無効だと主張し、2008年6月に仲裁に申立てました。仲裁廷は甲の主張を支持しました。
仲裁裁決に不服したA社は訴訟を提起しました。一審は、第36条が当事者間に有効な意思自治であり、その内容が法律、行政法規の強制規定に違反していなく、かつ補償金の支払基準が競業制限条項の発効要件ではないと認定し、有効な条項だと判決しました。甲が上訴し、二審は一審判決を維持し、上訴を棄却しました。
その後、甲は二審判決を根拠にし、第36条が有効である以上、A社に競業制限期間(2008年3月から終身判決が確定されるまで)の補償金の支払を提出しました。A社は、甲に支払った在職期間中の賃金に競業制限補償金が含まれるので、上記要求を拒否しました。そして、甲が再び仲裁に申立てたが、終審判決が甲の主張を支持し、補償金の支払をA社に命じました。
コメント
一 労働法系の競業制限(公司法上の規定と特別している)とは、企業は従業員と合意し、離職する従業員が一定期間の内に、本企業と競争関係を有するその他の企業で就職しないこと、企業と競争する業務に従事しないというものであります。