中国、6割「譲る者は馬鹿を見る」 最新調査 (2)
■「譲る」精神欠如の背景に正直者は損をする社会
ではどうしてこうなってしまったのだろう?同調査では、「多くの人が自分の事ばかりに注意を向けすぎているから」がトップで68.7%。2位が66.8%の「社会がどんどん浮ついているから」だった。そのほか、「道徳教育が遅れているから」(56.6%)、「善意を持って人に接するという精神が尊ばれなくなったから」(52.7%)、「教育は礼儀ではなく、競争を強調しているから」(52.4%)、「人間関係にも競争の精神が入りこんでいるから」(41.1%)などの回答があった。
北京大学哲学学部の陳少峰・教授は、「一般人は初めから『譲る』ことを知らないわけではない。譲ったり礼儀正しかったりする人が損をし、不正な手段で甘い汁を吸っている人が逆に成功しているのを見て、『譲る』という精神を捨て、他の人と競う精神を発揮するようになってしまうのだ」と指摘している。
■譲ると損するか?
「譲る」人は本当に何かを得損なっているのだろうか?同調査では、回答者の16.5%が「絶対ある」、44.5%が「多分ある」と回答。一方、17.0%が「あまりない」、16.4%が「ない」、5.7%が「何とも言えない」と答えた。
一方、譲ることで得られるものとして、71.6%が「調和した人間関係」を、65.9%が「秩序ある生活」を、65.6%が「他の人からの敬意」を、51.8%が「モラルある行動をしたという心の喜び」を、50.4%が「他の人の善意」を、47.7%が「他の人を助けたという満足感」を挙げたことは注目に値する。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年12月18日