穏やかな気質で知られる日本人社会に「悪口まつり」 (2)
悪口に性的な意味の言葉が含まれる国も多いが、日本人は性的な問題に開放的な態度を示しており、あまり気にすることもない。長期にわたり日本で生活していた米国のある評論家は、「日本人にとって、性と道徳は無関係。そのため、性は日本語においてタブーではない」と解説している。しかし、伝統的な思考を持つ日本人にとって、乱れた性生活は依然として深刻な問題だ。
日本人にとっては、性的な意味合いを持つ悪口より、「殺す」や「踏みつぶす」、「しめる」など「死」と関係する言葉の方が語気が強く、直接的だ。スポーツの試合などを観戦する熱狂的なファンがよく使っている。
■緒悪口を言い合う「悪態まつり」
日本人が悪口を言うことを避けるのは、教育や教養の問題というよりは、紀律や等級観念に自分の感情を押さえ込まれているだけだと考える人もいる。例えば過去において、鎌倉幕府(1185-1333)が定めた武家法・「御成敗式目」には、「悪口咎事」という条文があった。また、第二次世界大戦に敗戦した後、社会の安定を目指す日本政府は侮辱行為を戒めるため「侮辱罪」を制定している。そして現在も「常識を覆した1人」となり、社会から「無声の懲罰」を受けることを恐れる日本人は、社会交流のシーンで汚い言葉を発することはほとんどない。ある日本社会学者は、「不快で、ストレスに満ちた状態でも、『言葉』を使ってそれを解消しようとする日本人は少なく、通常は黙り込んでにらみ付けた状態から、急に怒りを爆発させ、極端な行動に出る」と分析している。
一方、伝統的な日本の宗教儀式の中には、ストレスを言葉で発散するためのものあり、集まった群衆がお互いに悪口を言い合うものまである。例えば、日本三大奇祭の1つ「悪態まつり」がそれにあたり、島根県や栃木県、茨城県、長野県などで、今でも行われている。悪口の言い合いに勝てばその年の幸運を得るとされるため、年頭に開催されることが多い。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年12月21日