カメラでスキャンするだけで、人の顔に関する情報がキャッチされ、自動分析される。清華大学電子学部教授の丁暁青氏が開発した「TH-IDvsビデオ顔認証技術・システム」が、中国教育部(省)の科学技術成果の審査に合格した。専門家らは、同技術が世界先進水準に達したと判断した。同技術は写真およびビデオにより撮影された人の顔の情報を認識できる。同技術が身分証照合システムで幅広く利用されれば、「一人が複数枚の身分証を保有」、「一枚の身分証を複数人で共用」といった戸籍問題を効果的に防止できる。北京日報が伝えた。
清華大学電子学部スマート画像・文字情報処理研究室において、丁氏は記者に同技術を見せてくれた。カメラが撮影した動画により、システムはその中の多くの人の顔を迅速にキャッチし、それぞれの性別・年齢・人種を即座に判断し、同時にシステム内に登録されている人名を導き出すことができる。これはビデオ顔認証技術の最も分かりやすい応用法だ。
丁氏の研究チームは2009年より、監視カメラを使った人の顔認証技術を重点的に研究した。4−5年間の研究を経て、映像内の顔の低解像度、急速な移動、薄暗さ、表情や姿勢の変化といった難題の効果的な解決策を講じ、システムの認証率を大幅に高めた。
同プロジェクトの成果に基づき開発された、ビデオ顔認証警報システムは、すでに上海万博や深センユニバーシアード競技大会などの大型イベントの安全保障に使用されている。同システムは「ブラックリスト」を設定することができ、リストに登録されている人物を確認した場合は即座に通報する。
丁氏の研究チームが開発した顔認証技術は、一人が複数の戸籍を所有する違法行為の防止にも利用できる。
陝西省と北京市では、同一の人物が4枚の異なる身分証を保有するケースが発覚し、いずれにも本人の写真が登録されていた。陝西省神木県では、一人の女性が4枚の身分証を利用し、多くの住宅を購入していたことが問題となった。
丁氏の研究チームは北京航天金盾科技有限公司と協力し、中国公安部(省)に顔認証の検索に関する技術サービスを提供した。「TH-IDvsビデオ顔認証技術・システム」を利用すれば、公安機関は某地の戸籍と身分証の写真を比較することで、同じ身分証を複数人が使用している、同一の人物が複数の身分証を保有しているといった、戸籍・身分の違法行為を見つけ出すことができる。