人民元の対米ドル中間レートは2013年12月末に1ドル=6.0969元に達した。2005年7月21日の為替レート形成メカニズム改革の前、同レートは1ドル=8.2765元であったため、昨年末までに35.7%上昇したことになる。外国に留学したりショッピングに出かける人にとっては、人民元の価値が上がったことになる。しかしより多くの海外に出たことのない中国人は、この「得した」感覚を得ておらず、むしろ人民元の価値が下がり続けていると感じている。8年間に渡り、中国国内の各商品の価格が数倍に跳ね上がったのだ。統計データによると、人民元が高騰したこの期間中、国内のCPI(消費者物価指数)は年間平均3.1%上昇した。人民元は対外的に価値が上昇し、国内的には価値が下がるという現象を示している。これには次の二つの原因がる。京華時報が伝えた。
(1)中国は管理された変動相場制を採用しており、国際資本の流動を強く管理している。これを背景とし、国内には流動性の過剰による物価上昇ムードが生じ、国内的には人民元の価値が下がっている。
(2)中国経済の成長率は依然として高く、国際貿易は黒字が続いている。供給に限りがあり、需要が拡大する中、対外的には人民元の価値が上昇している。
◆為替レート市場化推進のメカニズムを形成
中国中央銀行調統司司長の盛松成氏はこのほど署名入りの寄稿文の中で、「人民元が対外的には価値が上昇し、国内的には価値が下がるという現象を正しく認識し、これに対応するべきだ。これは中国の経済発展の段階的な現象だ」と指摘した。