英国紙「フィナンシャル・タイムズ」が7日に伝えたところによると、日本とオーストラリアがこのほど自由貿易協定(FTA)に調印した。これにより7年に及んだ日豪FTA交渉が実質的な進展を遂げたことになる。だがFTAで豪と一致することが日本の最終目標ではなく、同紙によれば、日本はこれによって環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉で米国に譲歩を迫りたい考えだという。TPP交渉で譲歩が得られず、日本は高いハードルを越えるための手段を見つけようとしている。
▽マラソン並みの長距離走
高いハードル、それはTPP交渉の目立った特徴だ。ある専門家の分析によると、関税を引き下げるだけでなく、第三次産業、投資、労働力などの自由化や利便化が求められ、基準、技術障壁、知的財産権、競争政策、政府調達、さらには労働力、環境保護まで、あらゆる面で高い要求がうち出されるのがTPPだ。ハードルが高いため、日本がTPPに加盟するにはマラソンのような長丁場の交渉をくぐり抜けることが必要だ。
2012年2月7日、日本政府は米国とTPPの第1回交渉を開始した。交渉は緩やかに進展し、13年4月には米国の民間部門の産業・労働者担当者が、米国と日本が合意達成に近づいていると発言。だが11月6日には、米貿易代表部(USTR)のウェンディー・カトラー副代表が、米日間TPP交渉にはなお多くの問題があり、日本の農産品の関税減免の問題、自動車貿易などの議題をめぐる隔たりは調整が難しいとの見方を示した。
今年の交渉でも米日の隔たりは埋まらず、あるメディアは2月の閣僚級会合でも進展は得られなかった、交渉は長期化する可能性があると報じた。米日両国だけでも交渉は困難を極めるというのに、他の11カ国とも一致しなければならず、この長距離走はいつゴールにたどり着けるやらわからない。
▽高いハードルの下でのゲーム