【第120回】ストライキ(予防論) (2)
3.現地従業員の「情」への配慮による未然防止
(1)現地幹部の不正は、現地従業員の不公平感を招くことになります。購買から人事までの各カテゴリーの内部監査体制をマニュアル化する必要があると思われます。
(2)中国人従業員に対しては、日本企業の経営管理理念や経営手法についての研修を、日本人従業員に対しては中国人の習慣などを理解するための研修を、それぞれ必要に応じて別々に実施する努力が必要であると考えます。日本人と中国人の心を融合させるため、運動会の様なゲームを用いた特別な合同研修を活用したり、日本人の得意な「飲みニュケーション」、カラオケなども適度に実施する努力も必要ではないかと思われます。
(3)日本からの派遣社員は、現地従業員から倫理的にも尊敬される生活を送る必要があると考えます。
前回解説した現場対応論は、ストライキが発生した時の対応であり、非日常な手法で火を消す作業になります。上記の予防論は、あくまで日常管理の中で、ストライキをいかに未然防止する作業になります。後者の作業方法をもって、現場に対応することができません。逆に、前者の作業方法を持って、未然防止することも本末転倒な話になります。経営者にとっては、それぞれの手法の駆使のタイミングに注意を払う必要があると考えます。
作者:周暘 段和段法律事務所パートナー弁護士(早稲田大学法学研究科 法学修士)
作者:高嵩 段和段法律事務所パートナー弁護士(北京大学法学部卒業、元北京第2中級人民法院裁判官)
「人民網日本語版」2013年2月28日
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