「七七事変」(盧溝橋事件)から今年で77年となる。旧日本軍は77年前、入念に計画した盧溝橋事件の実施により、全面的な中国侵略戦争を開始した。盧溝橋事件は、中国を戦禍の深淵に陥れたと同時に、日本帝国主義を滅亡へと導いた。(文:方軍・中国作家協会所属作家)
数十年が経ち、中国社会には天地の裏返るような変化が起きた。だが盧溝橋事件当時の国民政府の時代も新たな中華人民共和国の時代も、中国の人々は盧溝橋事件を記念し続けてきた。
記念活動には、感情による「紐帯」とそれを吐露する「場所」がつきものだ。そして「思想・思潮」と「行動・行為」をつなぐのは、各種の民間団体である。
中国の広い大地では今、長江の南でも北でも、万里の長城のこちらでもあちらでも、無数の人々が民間組織を通じて自らの感情・心配・悲哀・憂慮・愛国心を表現している。
抗日戦争(日中戦争)の元兵士を記念する民間団体には、私の知っているだけでも、浙江省の「我們愛老兵網」、深セン市の「関愛抗戦老兵網」と「無冕愛心網」、北京市の「互助抗戦老兵網」がある。大きな影響力を持つ民間博物館としては、樊建川さんが成都市に設立した「建川博物館」と呉先斌さんが南京市に設立した「南京民間抗戦史料館」がある。抗日戦争の歴史を研究する団体としては、成都の「巴蜀抗戦史研究院」などが挙げられる。
以下では、これらの民間組織を簡単に紹介する。
▽「我們愛老兵網」
ボランティア数万人を有する民間の公益サイト。同サイトの責任者は裘黎陽さん。2013年4月12日に設立され、数カ月で300人余りの元兵士に100万元(約1630万円)を超える支援金を配った。裘さんのいる浙江省紹興地区には、抗日戦争を自ら経験した元兵士が144人いる。平均年齢は91歳で、35%が名高い士官学校「黄埔軍校」に通った経歴を持つ。裘さんは、公益事業に熱心な浙江地区の企業家で、2012年2月に元兵士のための活動を始めた。従業員全員による元兵士へのいたわりを呼びかけた全国唯一の社長であり、周辺の友人とここ2年で150万元(約2450万円)余りに達する資金援助を行ってきた。
▽「無冕愛心網」
同サイトの責任者は孫冕さん。孫さんは広東汕頭出身の1953年生まれで、現在新進気鋭の時事生活週刊誌「新週刊」の社長を務める。陳坤や鄧超など映画・テレビ業界で大きな影響力を持つ有名俳優に応援してもらっている。孫さんの同サイトはこれまでに、貧困線以下で暮らす抗日戦争の元兵士数百人を資金援助してきた。