〇特産物をオンライン購入して旅行に行ったふり
武漢凱迪電力に勤務する何氏は、時間的な余裕がないことから、今年の夏休みは、息子を武漢の近場に連れて行くことしかできなかった。だが、このことが、息子にとっては不満だったようだ。優良校の小学校に通う息子の同級生は軒並み、国内各地に旅行に出かけている。海外旅行に出る同級生もいる。「僕も、もっと遠いところ、せめて省外に旅行したい。でないと同級生にメンツが立たない」と息子は父親に訴えた。
とうとう、何氏と息子は意見の一致をみた。江蘇・浙江エリアの特産品や特産グルメをオンラインで購入し、新学期が始まる時に、学校に持っていって皆におすそ分けし、彼が夏休み中に遠方に旅行したふりをすることにしたのだ。
何氏はこのほか、学校の教師が、ホームルームの時間を利用して旅行の経験談を生徒に披露させる、あるいは旅行レポートを提出させる可能性を考え、その時に備えて、上海や杭州の観光地に関する情報を調べるよう息子にアドバイスした。
〇教育においては、子供ひとりひとりの心を護ることが何よりも大切
上述の2人の保護者はいずれも、このようなやり方について、「やむを得ない」と表現した。彼らは、自分の子供が、旅行の思い出を公開できないという理由で、他の子供から見くびられることを恐れている。
何氏は、「旅行の思い出公開」ブームの裏には、学校がそれを後押ししていることがあり、それによって生徒に競争意識が芽生えると指摘、次の通りコメントした。
ほとんどの先生が、生徒に旅行の思い出を公開するよう発破をかけるが、それによって、旅行に出る機会がない子供や親がどんな気持ちになるのかまで考えていない。「万巻の書を読み万里の路を行く」の通り、子供が夏休みに旅行に出ると、見識を広げ、能力を伸ばすことができるのは確かだ。しかし、それが子供の成長にとって唯一の道という訳ではない。適切な指導がなければ、「思い出公開」は、「自慢、誇示」の振る舞いになってしまいやすい。この点については、学校側と保護者側が、しっかり連携して子供を正しく導く必要がある。結局のところ、教育においては、子供ひとりひとりの心をしっかり護ることが、何よりも大切だ。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年8月13日