受取人の情報が記された速達伝票(上写真)。花露水を吹きかけて10秒あまりで字が消えて見えなくなる(下写真)。 |
「速達伝票に花露水(化粧水の一種)を吹きかけると、字がすぐに消える」。インターネットでは最近、花露水のこうした「驚異的な効果」がネット利用者の関心を集め、花露水は「秘密保持の神器」と評価されている。新京報が伝えた。
花露水の効果を確かめるために実験した。プリントされた速達伝票に花露水を吹きかけたところ、力をいれてこすらなくても数秒で伝票上の文字が消えてしまった。続いて手書きの速達伝票でも実験したところ、同じ効果が見られた。
12秒で速達伝票の字が消滅
インターネットでは、速達伝票の字を消す手早い方法として、水洗いや歯磨き粉を塗ることが挙げられている。記者がこの2つの方法を試したところ、確かに字は消えるものの花露水ほど効果は強くなかった。
プリントアウトされた3枚の速達伝票上で、花露水、水、歯磨き粉を使ってみた。花露水を吹きかけると字は12秒で消え、歯磨き粉をティッシュで擦り取ったり、水で洗い流したりした字は、それぞれ18秒と22秒で消え、花露水の効果の高さが明らかになった。
専門家「有機溶剤が字を消す『秘訣』」
科学松鼠会会員の科学知識普及の作家、瘦駝氏によると、速達伝票はノーカーボン紙(NCR)で、無色や淡色のインクと顕色剤が使われている。速達伝票はペンなどの圧力を受けるとインクが出て、顕色剤と反応して青や赤、黒といった色になる。こうした色の多くは有機溶剤で溶ける。
花露水の主な成分はエタノール、ブタンジオール、プロピレングリコールで、いずれも有機溶剤にあたり、こうした有機溶剤が速達伝票の字のインクを効果的に溶かすため速達伝票のプライベートな情報をきれいに「洗い流す」という。花露水の他にも香水などエタノールを含む製品が同じような効果を持つ。
瘦駝氏はさらに、単に水で洗うなら洋服の洗濯と同様な物理的プロセスで、簡単には落ちないと語る。歯磨き粉で落とすことができるのは、歯磨き粉に界面活性剤が含まれるためで、有機物を水と結合させて有機溶剤を形成し、インク成分の字を消すためだ。(編集YH)
「人民網日本語版」2014年8月14日