近年、中国では自家用車を持つ人が急増している。そんな中、中国で長年に渡りヒット車を生み出してきた日本の自動車メーカーに代わって、ドイツ車が人気になろうとしている。
湖南省長沙市に住む鄧丹さん(30)は、財務関係の職に就き、今年4月に、3年乗った日産の「キャシュカイ(QASHQAI、日本ではデュアリス)」から、ドイツのアウディに乗り換えた。鄧さんは取材に対して、「アウディは若い人の間で人気がある。単に乗り遅れたくなかっただけ。日本車に乗っている人はそれほど富んでいないという潜在意識がある」と語った。
鄧さんのこの言葉は、中国という世界最大の市場を前にした、日本車の課題を反映している。若者や富裕層にとって、魅力がなくなっているのだ。
中国の消費者の観念に変化
中国自動車工業協会が8日発表したデータによると、7月の時点で、日本車の販売台数は、中国全土の販売台数の15.3%を占め、前年同期比0.2ポイント増となった。一方のドイツ車の販売台数は19.6%から21.5%に増加した。米国車は12.8%と、12.3%からの微増だった。また、中国車は40%から37%に減少した。さらに、1-7月の間に、中国の乗用車販売台数は1100万台と11%増えた。
2012年、中国におけるトヨタの販売台数は大幅に減少した。日本の自動車メーカーは、新車種を発表したり、中国人好みのデザインを採用することで、中国における販売回復を試みた。それでも、日本車の販売台数は一旦回復したものの、再び危機に直面しようとしている。
調査会社IHS AutomotiveのアナリストSa Boni氏は、「昨年、日本車の販売台数は予想を超えた。しかし、今年はその増加に限りが見えている。市場の競争が過熱していることに加え、中国の消費者は日本車はあまりオシャレでないと感じていることがその主な原因」と指摘している。