2014年8月29日  
 

中国の夢健康知恵袋 企画集 日本からニイハオ!

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<北京のお気に入り> 他にはない光景が見られる胡同の散歩 (6)

人民網日本語版 2014年08月27日09:18

この日本的な間や笑いと中国社会はまるで異質なもののように感じるが、これについて向井さんは次のように語った。

――そうなんですよね。こっちに来て、言葉は通じない、間なんてない。みんな言いたいこと言ってるし、謝らない。俺が俺がと主張している。そういう意味では新しい発見があるんですよね。日本的なものがまるでない、まったく違う世界に来たなって。

でもだからこそ、1年後、2年後、日本に戻って仕事をした時に、北京に暮らす中で絶対に入ってくる新しいものと大切にしている日本のおかしみとが自分の中でどのようになるのか、不安でもあり、楽しみでもあります。日本的な感覚は失いたくないけど、新しく入ってくるものがどっちに振れるのか?という期待と不安ですね。

向井さんは今後の抱負を次のように語った。

――やっぱり北京に来て暮らせば暮らすほど、書きたいなとつくづく思うのは、日本と中国のカルチャーギャップなんです。それが今すごく面白いですね。北京に滞在してたった5カ月なんですが、すでに中国人に言いたいことやネタにしたいことはいっぱいあるんですよ。だけど、それを翻して、日本や日本人気質を笑いたいんです。そのために中国人を理解したい。

今は「だから日本人って」「だから中国人って」というような反日、反中の論調が多いですよね。番組やネットでもそういうことがさんざん流れています。どの論調もどこか上から目線なんです。そこを何とかユーモアという笑いで違うものにして、日本人も外国人も同じだと笑いたいんですよね。中国人を通して日本を茶化すことで、そういうところまで伝わるとといいですね。

電話がかかってきてから約30分後、見たところ20代後半から30代前半の業者の男の人がやって来た。中古の洗濯機を運び入れて設置し、必要なものを説明した後、おもむろに向井さんにある質問をした。「ところで、北京で何してるの?」。学生をしていると答える向井さんに、「37歳で学生?」と丸い目をより丸くして驚いた。そして、「この部屋って外から見るとボロイけど、中に入ると結構きれいだね。悪くない」という言葉を残して去って行った。このやり取りの後、向井さんは、「理不尽だと感じることがあっても、実際に会うとみんないい人たちなんですよね。最終的には嫌いになれない」と笑った。

胡同で暮らし、散歩をする中で目に焼き付けた光景や中国人との交流を通じて感じたことが、将来向井さんが書く脚本に一体どのような変化をもたらすことになるのか?新たな名作誕生の予感に、一映画ファンとして期待と興奮でワクワクしてくる。


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