安邦保険集団は10月初め、米ヒルトン社と合意を締結し、ヒルトン傘下のNYウォルドルフホテルを買収した。 |
買収のほかにも、中国企業は、グリーンフィールド投資(現地法人設立など)によって米国の高付加価値産業に進出し、研究開発設備や学習センター、製造・流通施設、北米地区本部などを設立している。製造業のほか、中国企業は知識集約型サービス業への興味を高めている。ソフトウェア・金融・ビジネスサービスなどの業種の取引数と投資総額は2010年から激増している。中国工商銀行が東亜銀行の米国業務を買収したり、大成や盈科などの中国の法律事務所が米国市場に進出したりといった例がある。 ▽中国の投資、現地の雇用創出に寄与 投資の量と質はいずれも高まっているが、中国企業が米国に進出してからの期間は短く、米国での直接投資ストックはまだ小さく、多くの課題に直面している。 米国のポールソン研究所の研究員を務める馬ヨウ氏は、山東南山アルミニウム業公司の米インディアナ州での投資の事例研究に基づき、米国に根を下ろして工場を作り、雇用を生んでいる中国企業でも、不確定性とビジネス面での大きな試練に直面していると指摘する。中国の投資者が米国市場に適応する過程では、険しい「学習曲線」が見られる。米国では、経営や人事政策、競争、市場環境、監視などを学習し、これに適応していく必要がある。
多くの中国企業が米国で歓迎される方法を見つけている。中国北車株式有限公司は先日、ボストン地下鉄の5.67億ドルの大型発注を受けたことを発表したが、6000万ドルを投じてマサチューセッツ州に北米本部と組立工場を建設することも明らかにした。ボストンに納品する284台の地下鉄車両を現地で組み立てる。この投資で現地には250人分の雇用が生まれるという。 マサチューセッツ州のパトリック知事は、プロジェクトが「質の高い雇用を生むことで現地の住民にチャンスをもたらしている」と評価する。業界関係者によると、完成品の輸出は米国の反発を受ける可能性があり、現地に工場を建てた中国北車のやり方は良好なモデルと言える。現地の経済との連結を実現すれば、ニューヨークやカリフォルニア州などのほかのプロジェクトでの入札時、マサチューセッツ州知事の応援も見込むことができる。
「中国の投資プロジェクトの中にはあまり成功しないものもあるが、多くの中国企業は米国で何の問題も生じさせておらず、喝采を受けている」。米国通商代表を務めたヒルズ社CEOのカーラ・ヒルズ氏は記者に対し、トヨタ自動車などの日本企業が米国に進出した際に敵意を受けたことはあったが、こうした敵意は今や見られないと語る。中国企業各社は、米国の企業文化を学び、企業の社会的責任というルールを学びながら、米国市場での「学習曲線」のスピードアップをはかっている。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年11月8日